• 国際ロータリー第2660地区 大阪イブニングロータリークラブ

東日本大震災・被災者生活再建の為の地場産品直売所設営プロジェクト(宮城県・南三陸町歌津地区)に向けて、社団法人 アジア協会アジア友の会(JAFS)の担当者の方に、現地の様子をお話しいただきました。
以下、そのお話です。

宮城県本吉郡南三陸町では、今回東日本大震災の影響により、元々17,666人の住民の内、897名が死亡、行方不明となっています。現在では、2,500名が町から出て生活を余儀なくされています。海岸沿いの地形のため、当時の避難者は12,427人にも上りました。

最初に、この南三陸町に津波が襲ってきた様子を記録として残しておかなければならないと考えた地元の方の撮影によるビデオ(約10分)を見ていただきました。ビデオでは、地震後の、「高台に逃げてください」とのアナウンスの中、元々あった町の様子、車が行き交う様子が映しだされました。みるみるうちに海面が上昇、津波が押し寄せ、町の中心部を大津波が家々、大きな建物、電柱、車その他すべてのものを流失してしまいました。

アジア協会アジア友の会は、今から33年前に立ち上げた大阪で一番歴史のある国際協力NGOです。安全な飲料水供給として、井戸建設をはじめとし、小学校建設、植林等様々な支援活動を18か国60か所で行ってきました。

今回の東日本大震災では、地震当日の3月11日に国内での支援活動を行うことを決定し、3月19日より現地入りをしました。最初は1か所の避難所からスタートした炊き出しと物資配布支援を、最終17行政区の32か所に広げての活動を行ってきました。南三陸町歌津地区では、水・電気がない状況が約4ケ月続きました。あたたかいものが栄養改善、ストレス軽減、病気予防につながりました。南三陸町は、仙台市や気仙沼市と違い、町の中心部が海岸沿いにあったこともあり、商業施設、住宅、加工場のほとんどが流失しました。

アジア協会では、単なる緊急支援で物資等を手渡すのではなく、地元の経済効果を上げるためにも、商店会を復興させ、配布物資をその商店会を通じて購入、配布をしたり、地域情報を連絡・周知できるように情報紙の発行、子どもや高齢者のケア・プログラム、仮設住宅交流支援、食文化の再興として味噌づくりプログラムなど下記の支援活動を続けてきました。

震災から1年が経とうとしている現在、求められていることは、緊急支援としての一時的な支援ではなく、生活再建のための地元の経済活動・生産活動を復興させる支援です。本会では、味噌をはじめとした地元食品を加工してものを作り出す加工場と、地場産品を販売できる直売所を建設していく予定です。

今回ご支援いただく冷蔵平ケース、低多段ケースは、この直売所「みなさん館」に設置されます。地元の人たちで組織された「南三陸地場産品振興協同組合」を中心に運営、そして地域約5,000人の方が利用する施設です。本当の復興のために、現地の経済活動を促すためにも、引き続きご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。施設完成後の一番の支援は、継続して、この南三陸町の美味しい幸を購入いただくことです。
どうぞよろしくお願いいたします。